ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとはなにごとだ!
2016年 スクウェアエニックス
原著堀井雄二
読書企画3回目にして、
ようやく、ドラクエに関する書籍を、ご紹介します。
感想というよりは、内容の紹介がメインになるかと思います。
タイトルのとおり、主にナンバリング作品(1~10、11は当時未発売)の、
名シーンや名場面について、紹介&解説が書かれた本です。
ドラクエシリーズの独特ならがも、どこか親しみやすい台詞の
バックグラウンドを知ることができます。
一部の台詞については、堀井さんのコメントもありますが、
おそらく、深く関わっていたであろう、初期作品が中心です。
(開発事情は詳しくないので、間違ってたらごめんなさい。)
巻末には、「堀井雄二のゲームデザイナー入門」という名のコラムがあり、
堀井さんのゲーム作りへの姿勢や考え方について、詳しく書かれています。
いちドラクエファンとしては、全て語りたいくらいなのですが、
そうもいかないので、DQ10で馴染みのあるテキストのみ紹介します。。
DQ10固有の名言は少ないので、間接的に関わりのあるものも、紹介していきます。
・ゆうべはおたのしみでしたね
DQ1からある、由緒正しき台詞です。
ドラゴン(コインボスのやつ)を倒した後、ローラ姫を救出し、
そのまま宿に連れて行くと聞ける台詞です。
堀井さんの遊び心のようですが、結局、何をおたのしみかは書かれていません。
思い浮かべるかもしれませんね。
アダルトな風にも捉えられる表現なので、
一部の人は、このタイトル&内容で大丈夫なのか、
って思ったことでしょう・・・。
確か、DQ4コマ劇場(旧スクウェアの漫画家発掘企画みたいなもの)
出身の人だったと思うので、その辺も狙ってやったのかな。
まぁ何だかんだ続いているようなので、それなりに好評なのでしょうね。
・シドーは ベホマのじゅもんを となえた!
破界篇で苦しめられた人も多いであろう、アレです。
FC版では、容量の関係で敵のHPを高くできなかったらしく、
苦肉の策として、何度でも回復させて、しぶとさを表現したようです。
そのインパクトからか、後の作品でも、ちょくちょく使用してきます。
モンスターズシリーズだと、ヒーラーキャラになることも・・・。
DQ10プレイヤーとしては、いい迷惑だと感じられる方もいるでしょう。
ちなみに、SFCのリメイク版では、HPを高く設定できたようなので、
ベホマはしてきません。
・それを すてるなんてとんでもない! / 〇〇を なげすてた!
捨てられない道具を捨てようとした時と、捨てられる道具を捨てた時の
メッセージです。
こちらも初期作品の頃から使われており、
DQ10プレイヤーにとっても、馴染み深い文言だと思います。
前者は、柔らかい表現になるよう工夫であり、
後者は、道具のロスト(捨てたものはもう拾えない)を分かりやすく
表現したとのこと。
会話で使ってみたいとさえ感じる(僕だけ?)、秀逸な言い回しですね。
・へんじがない ただの しかばねの ようだ
”ただの しかばねの ようだ” だけだと味気がないので、
”へんじがない” を追加したとのこと。
したい(死体)ではなく、”しかばね”をという単語を選んだ理由について、
当時は平仮名表記しかできなかったので、
~したい と、プレイヤーが間違えない為の配慮とのことです。
結果として、それが堀井節などと呼ばれる、独特で面白みのある表現になっています。
おなじみのモンスターであるくさった死体も、あえて、”くさった”を
つけている点が、こだわりなのだそう。
あとは、長いのでここには書きませんが、
これが、DQ10唯一の台詞です。
キャラクターズファイルでの展開は、
初期からのプレイヤーとして、とても感慨深いものがあります。
巻末の「堀井雄二のゲームデザイナー入門」について。
1990年に書かれたコラムを、加筆ナシで再録したとのことなので、
今の時代とは、とりまく環境が異なる点も多いですが、
とても興味深い内容となっています。
堀井さんのゲーム業界に関わることになった経緯から、
ゲームデザイナーとは何か、その考えが詳細に書かれています。
また、ゲームを製作する為の過程についても書かれています。
現在の規模が大きくなりすぎた、集団体制のゲームソフト製作では、
なかなか難しそうな部分もありますが、
少人数のゲーム制作や、フリーゲーム、RPGツクールあたりをやっている方は、
参考になるかと思います。
最後に、「人生はロールプレイング」という表題にて、
RPGの真骨頂は、疑似体験にあること、
その為の細やかなテキストの工夫について言及し、
締めくくられています。
この本の魅力ついては、読んでいただくのが一番かと思います。
僕の拙文では、説明しきれていない部分が多いので・・・。
過去にドラクエシリーズをプレイしてきた方はもちろんのこと、
未プレイの方も、手に取って遊んでみたくなること、
間違いないでしょう!
あとがき:
またドラクエ関連の本が届きました。
近い内に、読書感想文を書くかもしれません。
読書系DQ10ブロガーとか目指してもいいかもしれませんね。
評判はさておいて、差別化にはなるかと。