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書籍紹介 生きる為に大切なこと A・アドラー 2016年、桜田直美訳

生きる為に大切なこと 2016年 方丈社

A・アドラー著 、桜田直美訳

 

ドラクエとは関係がない本です。

僕は、この手の分野は素人なので、内容が無い様な内容です。

胡散臭くならない程度に、色々と書いていきたいです。

無知が露見するのは、まぁしょうがない。

 

よく言われる、アドラー心理学(個人心理学)についての本です。

「嫌われる勇気」という本が少し前に流行ったそうですが、

これは、本人によって著された原典のようです。

(論文とか講義を纏めたものかもしれません)

プロが翻訳しており、違和感なく読めます。

 

前半は:

主に、優等コンプレックスと劣等コンプレックスについて。

全体的に結構、辛辣です。

歪みを放置したり、ライフスタイルの形成を誤ると、

破滅や悲惨な人生が待っている、といった旨のことが度々、書かれています。

劣等・優等コンプレックスは、コインのような表裏一体と書かれています。

劣等感をぬぐう為に、人より優れた点で見下そうとする。

よく言われる、マウンティングの背景もそんな感じでしょうか。

また、わがままを言ったり、他人を困らせて、

注目を引く(所謂かまってちゃん)行為にも、

他人を独占や支配できるという、優越コンプレックスが内在しているという点が、

すごく興味深かったです。

幼少期の経験が、人格形成に多大な影響を与え、

修正が難しいということについても語られています。

 

 

中盤は:

幼少期の誤ったライフスタイルを修正する点で、

重要な教育について。

叱ることや体罰を否定的にとらえており、

教育によって、社会に出た時に順応できる能力を育む。

しかし、学力や成績の格差による悪影響、いじめ、家庭内の問題etc

といった問題点について挙げられていました。

希望的な観点からも捉えており、

子供に合った教育次第で、「誰でもなんでも達成できる」と述べています。

ハンデや弱点を抱えていても、長所を伸ばせば力になるとも。

現代に通ずる、教育観を持っている点はすごいです。

 

後半は:

心理学の本でもよく言われる、3つのライフタスクが出てきます。

「社会参加(交友?)、仕事、恋愛」 の3点です。

違いはあれど、いずれも他人との繋がりを指しています。

それにスピリチュアルタスクとやらを加えた考え方もある、

って話を聞いたことがあるけど、ちょっときな臭さを感じます。

人間関係、特に異性とのことについては、

現代には似つかわしくない内容も含まれているので、

ここでは書きません。

 

劣等・優越コンプレックスを抱えたまま、

社会に出ることの危険さについても説かれていますが、

逆に、コンプレックスではない劣等・優越感であれば、

自己を高め、共同体感覚を養うことができる。

と、いう形で最後はまとめられていました。

※他の本で頻出する、共同体感覚について、詳しい説明はありませんでした。

 

最後に:

劣等・優等コンプレックスによって、引き起こされる諸問題には、

現代でも解決されておらず、形を変え、深刻な問題であり続けています。

それらに、いち早く気付いたアドラーの先見の明には、

驚かされるばかりです。

パワハラモラハラ、マウンティングやいじめ、ひきこもり、心の病、

枚挙にいとまがありません。

現代が、昔に比べ、共同体感覚を養いにくい

環境になったように感られます。

個人主義的なものの普及など?)

その辺りも関係があるのかなぁと。

そんな現代だからこそ、心に留めておきたい内容です。

 

個人的に、気になった点を挙げると、

見解を述べるも、統計や具体的なをデータを示さず、

自分の臨床の経験に基づくものが多い。

問題点を分析するも、その解決策や、結果への言及が少ない。

・・・と言った点でしょうか。

しかし、簡単ではないからこそ、

医学が発達した現代でも、

心の病が、風邪に例えられたりするのかと思います。

 

 

アドラーの言葉は厳しくも、

人間の課題を鋭く指摘しているように感じられます。

僕の拙文では、それを上手く伝えられないのが、

非常に残念な限りですが。

 

この本は、第三者が、アドラー心理学をかみ砕いて、

日常で役に立つ提案をするタイプのものとは違います。

よく言われる、”勇気づけ”や"勇気くじき"という概念にも触れていません。

それらは、弟子筋の人物によって、生み出されたワードのようです。

 

日常に役立てる知識を得たければ、

アドラー心理学を題材にした、ビジネス書などを読まれるのが

良いのではないかなぁ、と個人的には考えています。

(おそらく、その中の一つが「嫌われる勇気」なのでしょう。)

とりあえず、一冊を手にとってみて、役に立ちそうな部分を

インプットしていけば、何かしら得られるものが、

あるのではないでしょうか。

 

読み終えてみて、何か強く惹かれる部分があれば、

他の書籍も読んでみることをお勧めします。

著者によって、解釈が違うようですが、

基がしっかりとしている為、ハズレは少ないと思います。

 

 

大した知識もないのに、何長々と語っているんだって言われるかも

しれませんが、短く簡潔にまとめることって、逆に難しいんですよねぇ。

少なくとも僕は、ね。

 

次は、ドラクエ関連の本をご紹介する予定です。

まだパラパラとめくっただけですが、すごく面白そうです。

過度の期待はせずに、お待ちください。

 

あとがき:

良いか悪いかは別として、自分なりに感じたことを書きました。

読書感想文としても体裁を保てているのかな?

とりあえず、疲れた